
相当な実力を持ち数々のV.A.などに名曲を残し活躍していたにもかかわらずこれが唯一の作品となった。リーダーはもちろんUve Schikora。彼はヴォーカル、サックス、ピアノ、オルガンを担当し、作曲もすべて彼の手に委ねられている。ここで聴くことのできる試みは当時としては珍しいもので、1曲1曲のクウォリティは高く、グルーヴィーなポップであったりプログレッシヴだったりと、やりたいことを一気にやってしまおう的な作品と言ってしまえばそれまでだが、プログレッシヴファンであれば聞き終えた頃にはなぜがニヤニヤしてしまうような魅力のある作品でもある。特にA-3はイタリアンヘヴィプログレッシヴを思わせる名曲で素晴らしく、B-1ではグルーヴィーなオルガンサウンドに中近東風メロディーも飛び出す。極めつけはラストの12分を越えるタイトル曲で、U.K.プログレッシヴロックグループの影響を強く感じ取れる必聴曲に仕上がっている。本作も間違いなく旧東ドイツロックを代表する一枚に挙げられるだろう。