

旧東ドイツロックの重鎮、Stern Combo Meissen(後にStern Meissenに改名。)の記念すべきデビューアルバム。メンバー達のプレイの力量に自信があってのことか当時としては珍しくライヴ盤としてリリースされた。確かに旧共産圏らしいサイボーグ的な演奏力はかなり安定しており、ムーグ、シンセサイザーを中心としたプログレッシヴな音作りは西側諸国の名グループにヒケを取らない内容となっている。聴き所はあのイタリアのNew Trollsも取り上げている"Eine Nacht Auf Dem Kahlen Berge"(禿山の一夜)で、そのクウォリティは素晴らしく前者のヴァージョンとはまた違った楽しみ方ができる。また、デヴュー前音源としてV.A.(Halloシリーズ)では有名フィメールヴォーカリスト、Veronika Fischerのバックを務めている曲が収められている。

パーカッション兼ヴォーカリストが抜け、ベーシストも交代し発表された最高傑作。前作までのスタイルは崩さず、メロトロンを大胆に使用し、多少アバンギャルドな展開もみせるなどより以上にドラマティックかつアグレッシヴな作品に仕上がった。アルバム全曲5曲と今までで一番少なく、収録時間こそ短いがより大曲重視&内容重視の姿勢がみられ、このアルバムに対するメンバーの意気込みが徒ならぬものに感じられる。東欧ロックのアルバムとは?と聞かれれば私は間違いなく本作を選ぶであろう。ジャケットのデザインも東欧らしく秀逸。発掘された当時は日本国内でかなりの値段で売られていた。