
旧東ドイツきってのスーパーロックバンド、Karatの記念すべきデビューアルバム。ここに原点がある。キャッチーでポップ感溢れるロックンロールを中心に、聴けば聴くほど味が出るKaratサウンドは既にこの頃から確立されていたことがわかる。マーシャルアンプによる図太いギターリフで幕を開けるロックンロール名曲"Das Monster"、後にライヴなどで演奏されるバラード"Konig Der Welt"、メロトロン使用の"Abendstimmung"収録。AMIGA Rubyと呼ばれる臙脂(えんじ)色のラベルがオリジナル。水色ラベルは後期プレス。

オープニングから軽快なノリのロックンロールで始まるセカンドアルバム。この有名なグループも他の多くがそうだった様にアメリカンナイズ(当時どのグループも憧れだった。)されたロックを身上としていて、それらはプログレッシヴロックのファンにはなかなか受け入れられがたいものとなってしまっている。しかし、それらの曲の合間に存在するものに時として偶然(と言ったら失礼だろうか。)にものすごいパワーを持った名曲が潜んでいる場合がある。その例がまさしくこの作品でB-2に収められている"Albatros"がそれである。(この曲だけならオススメ度は5つ★。)これこそ東欧ロック最高峰のクウォリティをもつ空前絶後の名曲で、シンセサイザーを用いた静かなイントロから徐々にギター、ストリングスを含んでダイナミックに盛り上がり、おまけにヒューマンボイスメロトロン(?)まで飛び出す始末。誰もがこの曲を聴き終わるころには何か得体の知れない感動に襲われるであろう。個人的にはこの音楽性でアルバムを完成させて欲しかった。


