
旧東ドイツを代表するプログレッシヴグループの記念すべきファーストアルバム。のっけから人をおちょくったようなニワトリの鳴き声から始まるせいか、イキナリ内容を不安視してしまうがそれが過ぎてしまうとその不安は単なる杞憂に過ぎなかったということがわかる。ほとんどの曲で唾吹きフルートが炸裂し、ヘヴィなハモンドオルガンとファズギターが絡み合いながらハードにザクザクと切り込んでくる。そしてそのタイトなリズムセクションは旧東ドイツ国営レーベルAmiga特有のサウンドと言え、このアルバムを通して十分堪能できる。A-4などのように叙情的なバラード曲もあり全体的にハード一辺倒というわけではなくバラエティに富んでいる。旧東ドイツロック屈指の一枚である。必聴盤。


以前の作品に比べ何曲か聴き易いサビのメロディーをもつ曲があり、かなりシンフォニック的に洗練された感のあるサードアルバム。具体的にA-1,A-4などがそれに当たるだろう。A-1はオルガンをフューチャーしたDeep Purpule系のややシンフォニックな佳曲で前作以上に確実にパワーアップしていることを証明し、B-2では歌劇風の曲にもチャレンジしている。A-5は叙情的かつ劇的な展開をもつグループ史上最高級の名曲で、是非一聴をおすすめしたい。

Die Sixtinische Madonna [Amiga 855 802] LP 1980 ★★★
サードアルバムと同年に発表された4枚目。ここではタイトルどおり「16歳のマドンナ」という組曲形式の26分弱の大曲がライヴ(ほんとにライヴなのか?)収録されている。デキは良く、今まで結構気合の入った演奏を聴かせてくれていたのに対しこの作品ではサックスを使用してみたりと肩から力を抜いたようなとても余裕の感じられる演奏が聴ける。しかしその反面このグループの特徴でもあった攻撃的な部分が減退して洗練されたサウンドになってしまっているのは仕方の無いことか。

本国Amigaヴァージョンと同内容のジャケット違い旧西ドイツプレス。
